2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730194
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 良明 The University of Tokyo, 社会科学研究科, 助教 (90376632)
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Keywords | 経済政策 / 経済発展 / ASEAN貿易 / アジア貿易 / 企業内貿易 |
Research Abstract |
*本研究は、2000年前後から顕著になりはじめた中国の台頭により、ASEAN諸国がどのような影響を受けたのかについて、特に貿易に着目し、詳細なデータと現地調査をもとに明らかにしようとするものである。 *本年度(2008年度)は、昨年度(2007年度)の研究成果(宮島良明、大泉啓一郎『中国の台頭と東アジア域内貿易-World Trade Atlas(1996-2006)の分析から』東京大学社会科学研究所・現代中国研究拠点、研究シリーズNo.1、2008年3月、334頁)をもとに、2000年以降のASEAN諸国と中国との貿易について、さらに分析を進めた。 *その結果、IT関連製品を中心とした「機械・機器」類の相互貿易の深化が、東アジア地域の域内貿易を活発化させていることがわかった。換言すれば、電子部品などの輸出入の増大は、いわゆる「水平分業」型の貿易が域内で進展していることを示している。 *一方、ASEAN諸国と中国との間には、いわゆる伝統的な「垂直分業」型の貿易パターンも少なからず存在している。 *さらに、ASEAN諸国と中国との貿易を考える場合には、中国南部地域(たとえば、雲南省の昆明、広西チワン族自治区の南寧など)とメコン川流域諸国との「国境貿易」にも注目していく必要がある、ということがわかってきた。
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