2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730197
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 信 Kyoto University, 経済研究所, 産学官連携研究員 (60396265)
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Keywords | 規制緩和 / 電力産業 / 実証研究 |
Research Abstract |
まずこれまでの電力産業に関する研究と、規制改革に関しての研究をサーベイした。電力産業に関する研究のサーベイは規制改革前から行われている研究に関してである。今後規制改革の研究をするにあたり、分析手法として使う予定のものを中心にまとまた。具体的には報酬率規制による配分効率性の検証方法がある。これには一般化費用関数とフロンティア分析による方法がある。他には垂直的統合の研究、規模の経済性や範囲の経済性の研究をまとまている。今後これらについて規制改革により改善されているかを検証する必要がある。規制改革の研究としては生産性の研究や費用効率化の研究がある。フロンティア分析で検証するが、今後研究を実施する予定である。ヤードスティック競争の研究もまとめた。次に規制改革後の電力産業における資本形成に関して実証分析した。規制改革実施後、設備投資額は大きく減少した。新規参入の存在により収益が不安定化すると、過剰に設備投資を抑制すると考えられる。その点に関して実証分析した。その結果、送配電設備については規制改革により収益の不安定性に大きく反応して設備投資を抑制していることが分かった。電力産業の規制改革を論じる際、様々な視点から論じる必要がある。先ほどは電力産業という供給側に分析をした。今度は需要側の分析をする必要がある。そこで系統電力と自家発の需要代替性をコンジョイント分析により実証分析をした。規制改革により需要家は既存の電力会社に加え、新規参入者からも電力の調達が可能となった。しかし新規参入者からの調達は少なく、一方で自家発は増加傾向にある。そこで自家発との需要代替性も考える必要があると考えた。なおアンケートは経済産業省と京都大学が共同で行った。
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