2008 Fiscal Year Annual Research Report
低所得国における効率賃金仮説の検証:インドネシアの個票データに基づく分析
Project/Area Number |
19730204
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
中村 和敏 University of Nagasaki, 経済学部, 准教授 (40304084)
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Keywords | 経済事情 |
Research Abstract |
平成20年度の研究計画は、(1)実証分析のフレームワークの構築、(2)個票データを用いたQuantile Regressionによる統計的分析、(3)統計データや資料の収集、を主要な内容としていた。 まず、先行研究とは異なる視点から実証分析のフレームワークの構築作業をおこなった。そしてそれを踏まえて、労働需要側である企業の費用および生産に関するデータ(個票データ)を用いて、Quamtile Regressionの手法による統計的分析をおこなった。一部、事前予想とは異なる結果が出たが、2008年11月22日に金沢大学で開催された日本応用経済学会で研究発表をおこなった際に、分科会の座長の指摘により、問題解決を図ることができた。なお、その研究発表については、コメンテーターからは当学会の発行する学術雑誌に投稿することを、そして座長からは英文にして公刊することを提案されるという評価を得ることができた。現在、それらの提案に応えるべく、論文を加筆修正中である。また、研究発表の際に得られたコメントで、労働供給側からの分析の必要性を指摘されたため、新たに入手した労働者家計データ(個票データ)を用いて、別のアプローチからも分析をおこなった。その結果、新たな知見が得られたため、その成果を2008年3月に学術雑誌に発表した。 これらに加えて、統計的分析で得られた知見をより確かなものにするため、2009年2月に、海外フィールド調査(3ヶ所の農村で農家家計などへのヒアリング)を実施した。ヒアリング結果は、統計的分析の結果とも整合的であり、本研究の主張をサポートする証拠を得ることができた。
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