2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における環境税(炭素税)の導入のシミュレーション分析
Project/Area Number |
19730206
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Research Institution | Kanto Gakuen University |
Principal Investigator |
武田 史郎 Kanto Gakuen University, 経済学部, 准教授 (00364688)
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Keywords | 温暖化対策 / 応用一般均衡分析 / 二酸化炭素の排出規制 |
Research Abstract |
地球温暖化では世界全体のCO2排出量が問題となるため、世界全体での温暖化対策が必要となる。 CO2排出量の多い先進国における排出規制が必要なのは言うまでもないが、近年急速な成長を遂げつつあるBRICs等の途上国の排出量増加をいかに抑制するかも重要な課題となっている。しかし、CO2排出規制はエネルギー利用の削減・抑制を意味するため、経済発展をその最重要課題とする途上国が自発的な排出規制に取り組むことは難しい。経済発展を維持しつつ途上国の排出量を抑制するためには、先進国が何らかの形で途上国の排出規制を支援することが必要になる。そのための方法の一つに先進国から途上国への技術移転がある。先進国と比較し一般に途上国はエネルギー利用に関する技術(省エネルギー技術)が低い。そこで、先進国から途上国への省エネ技術の移転を促進することで、途上国の経済発展を維持しつつ、CO2排出量を抑制することができる。 しかし、技術の移転が可能であったとしても、それだけで排出抑制が実現するとは限らない。というのは、技術が採用されるかは、生産物・生産要素の価格等にも依存するからである。以上のような問題意識から、本研究では、火力発電武門における日本から中国への技術移転、資本移転とCO2排出規制の関係について分析した。具体的には、技術移転、資本移転、またその組み合わせが、CO2排出量、GDP、厚生等に対してもたらす効果を分析し、どのような政策を採用すれば日本、中国の双方にとって望ましい形でCO2排出量を抑制できるかを明らかにしている。
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Research Products
(1 results)