2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける多国籍企業の活動変化と賃金水準との関連性の統計分析
Project/Area Number |
19730212
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Research Institution | The International Centre for the Study of East Asian Development |
Principal Investigator |
瀧井 貞行 The International Centre for the Study of East Asian Development, 研究部, 主任研究員 (60311320)
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Keywords | 経済政策 / 多国籍企業 / インドネシア |
Research Abstract |
本研究は,インドネシア中央統計庁が実施している産業統計の個票データを用いて事業所レベルでの賃金格差の特徴を調べることにある。2008年度末に購入した2006年版のデータには,これまでの統計庁の調査ではカバーされていなかった事業所が多く見つかったため,データ購入以降,2005年版以前のデータと2006年版のデータを照らし合わせ,それらが整合的であるかどうかのチェックを行ってきた。事業所をその主な出資国別に分類するための作業を再度実施し,また賃金データの整合性のチェックなどに時間を費やした。これは,事業所レベルのデータであるため,比較的多くの異常値が含まれているためである。また,同時に2007年版のデータが出版されたため,これも併せてデータの整合性についてチェックを実施した。現在,そのデータベースの再整備を行いながら,出資国別グループの賃金格差に関して,統計データの集計を行っている。 また,分析期間において,インドネシアにおいては,経済危機後に最低賃金の引き上げ等が行われており,そのため,生産労働者と非生産労働者の賃金比率に経済危機前と危機後で変化が生じたと考えられる。また,国際貿易の促進も賃金比率を変化させた要因の一つであると考えられる。これらの点を,出資国別に分析するための理論的なフレームワークと,実証的に分析するための推定モデルや検定方法の検討を行った。上記のデータベースをもとに,推計の準備を行っている。
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