2008 Fiscal Year Annual Research Report
安定化政策の手段としての地方政府の公共投資の評価に関する研究
Project/Area Number |
19730229
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
宮崎 智視 Nagoya Gakuin University, 経済学部, 准教授 (20410673)
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Keywords | 地方政府の公共投資 / 日本のマクロ安定化政策 / 景気対策 / 財政再建 |
Research Abstract |
2008年度は、標題である安定化政策における地方政府の公共投資の役割についての研究を進め、関連する研究として日本の1990年代における財政政策のマクロ的効果についての検証を行った。 まず、研究課題である、地方政府の公共投資が、安定化政策の手段として適切であるのかについての研究では、主に政策効果の研究を進めた。同研究では、構造型Vector Autoregressive(以下VARと省略)モデルを財政政策の分析に応用し、その中で公共投資を中央政府と地方政府とに分けて分析を行ったことが特徴である。同論文は、既に前年度にDPにまとめられていたが、今年度は改訂版をオランダのマーストリヒト市で開催された国際財政学会(International Institute of Public Finance)で報告をした。国際財政学会では、同論文は「招待セッション」に割り当てられた。その後、同論文は、査読付の英文学術雑誌であるJournal of Asian Ecollomicsに採用が決定した。 次に、関連する研究課題である、財政政策のマクロ経済効果についての研究であるが、ここでも、VARモデルを用いた実証分析を試みた。ここでの分析の新規性は、特定の時期・政策の効果をダミー変数として抽出し、効果を計測する「Narrative approach」と呼ばれる手法を用いた点である。同論文は、中国の北京市で開催されたアジア太平洋経済学会(Asia-Pacific Economic Association)で報告した。なお、同論文は、英文の査読付学術雑誌から2回目の改訂要求を受けた後、現在再投稿中である。 そのほか、単独研究として財政再建に関する実証分析を進め、また共同研究では固定資産税の経済効果について検証した。それぞれ、国内の学会で報告をし、DPにまとめられ上で、現在は査読付きの学術雑誌に投稿中である。
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Research Products
(9 results)