2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730240
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
平尾 毅 Tokyo University of Science, Suwa, 経営情報学部, 講師 (50361861)
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Keywords | ネットワーク / 流動性 / ブレークスルー / 半導体レーザー |
Research Abstract |
本研究は、組織志向的な日本と市場志向的なイギリスという二項対立を解くことを目的に、エンジニアの流動性とネットワークに注目して、半導体レーザーにおける科学的ブレークスルー現出の過程を考察した。とりわけ、アメリカ、日本、イギリス、ドイツの主要4カ国の半導体レーザーにおける基礎研究に携わったエンジニアの流動性とネットワークに焦点を当て、4カ国の比較から、それぞれの国でのブレークスルー現出のプロセスを明らかにすることを試みる。 アメリカのエンジニアは、ブレークスルー後に移動した後も移動元との関係を維持しつつ、移動先で新たな組織と共同研究を行う傾向が見られたのに対して、日本のエンジニアは、組織内の同一メンバーで共同研究を進め、その成果としてブレークスルーを起こした後は、組織に残ったまま新たな組織との共同研究に着手していると考えられる。また、イギリスのエンジニアは、ブレークスルー前では共著相手を変えずに様々な組織から論文を執筆するが、ブレークスルー後は新たな共著相手と共同研究を行っているものと推測され、ドイツのエンジニアは、ブレークスルー前に様々な相手と共同研究を行い、ネットワークを築き、ブレークヌルー後もその関係を維持することで、広範なネットワークを維持していると考えられる。
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