2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730249
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
李 東浩 Wakayama University, 経済学部, 准教授 (40403224)
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Keywords | 企業統治 / 日本企業 / 中国企業 / 牽制 |
Research Abstract |
2007年度・本研究プロジェクトの1年目では、主に理論の構築、資料収集を行った。そして、研究結果の第1弾として、中国山東大学で開かれた日中経済貿易深化国際シンポジュウムで「日本企業のコーポレート・ガバナンス改革」を論題で報告を行った。また、報告の内容を元に大幅に修正したものを『産業経済評論』が今年載せる予定である。 不祥事の予防・経営の健全性の確保と競争力の回復・経営の効率性の促進という企業統治の根本的な2つの機能に重要視を置き、現在、日中ともに企業統治改革を積極的に導入している。中国においては、立法と政府管理部門が米国型の企業統治基準に従い、上場企業を統一的な統治標準に要求させ、企業統治の様態が収斂しつつあると見られる一方、日本では、企業各自の風土に適合した形で「千社一色」よりも、むしろ「千社千色」に多様化に展開している。 社外取締役はいなくても、合理的かつ効率的な経営の意思決定、監督・牽制と業務の執行を目指している。ここで、重要なのは取締役の意思疎通、会社の情報開示及び、会社の内部統制という企業統治の三つの基本要求を満たすことである。 伝統的な監査役会設置会社において、社外取締役を導入している企業もあれば、そうでない企業もある。要するに、形だけの飾り物よりもむしろ実質的な監視力と牽制力を有する企業統治の改革策を導入されている。トヨタやキヤノンなど日本を代表する優良企業は、現在でも一人の社外取締役を導入していない。しかし、監査役の役割強化、「内部統制委員会」の設置などの措置で、株主を含みすべてのステークホルダーの利益の安定的な長期成長を目指している。この点、唯一最善の企業統治制度の追求に拘らず、各社独自の特徴に適応した多様化した制度改革を行われている。
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Research Products
(4 results)