2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業における親会社-子会社間の資本関係の多様性に関する実証研究
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19730253
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大坪 稔 Saga University, 経済学部, 准教授 (90325556)
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Keywords | 子会社 / 関連会社 / 分社化 / 株式交換 |
Research Abstract |
本年度は、これまで日本の上場関係会社がどのように変化し、その変化はどのような要因によって影響を受けているのか、に関する実証分析を実施した。具体的には、1985年度、1990年度、1995年度、2000年度、2005年度の5時点において、(1)子会社・関連会社・独立会社間の変化、あるいは上場の有無の変化がどの時期に生じているのか、(2)変化の生じた上場関係会社と変化の生じていない上場関係会社では、どのような違いがみられるのか、について考察を行い、日本の上場関係会社の変化とその変化に影響を与える要因について分析を行った。 分析の結果、(1)については、1995年度時点を境に親会社-上場関係会社間に変化が生じていること、長期間にわたり安定的な親会社-上場関係会社関係を形成している企業は3割程度に過ぎず、多くの日本企業がその関係を変容させていること、の2点が明らかとなった。 また、(2)については1985年度時点から1990年度時点、1990年度時点から1995年度時点、さらには1995年度時点以降の3期間において親会社-上場関係会社間に変化を与える要因が著しく異なることが明らかとなった。バブル期を含む1985年度時点から1990年度時点では親会社の成長性が高いほどあるいは上場関係会社が高収益であるほど親会社-上場関係会社関係が維持されていたのに対し、主としてバブル崩壊後の1990年度時点から1995年度時点では逆に親会社の成長性が低いほどあるいは親会社と上場関係会社が異なる業種に属しているほど親会社-上場関係会社関係が維持されるという結果が得られた。
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