2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730262
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
青木 英孝 Chiba University of Commerce, 商経学部, 准教授 (90318759)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 経営戦略 / 選択と集中 / 事業集約化 |
Research Abstract |
昨年度の研究計画における最重要課題は、本研究を今後進める上で必要不可欠なデータベースの整備であったが、企業パフォーマンス関連の財務データ、事業構成などの多角化データ、および所有構造や取締役会特性などのガバナンス関連のデータ整備は順調に進んだ。そして、研究計画で設定した個別の分析テーマのうち、「ガバナンス構造が経営戦略の策定に与える影響」に関する分析に着手することができた。そこでは、1990年代以降、「選択と集中」をキーデートに進められた日本企業の事業ポートフォリオの再編に対するコーポレート・ガバナンス構造の影響を推計した。企業の多角化戦略に関する先行研究のレビューから、事業の多角化、特に非関連多角化が企業価値に対してマイナスの影響を持つこと、したがって企業の事業ポートフォリオの再編は、非効率を発生させるような過剰な多角化の修正を伴う「事業集約化」が戦略上重要なポイントとなる。そこで、この事業集約化の発生確率に対する企業のパフォーマンス要因やガバナンス要因の影響を、ロジット・モデルを用いて分析した。サンプルは、1990年から98年までの東京証券取引所・一部上場企業(金融部門を除く)である。その分析結果を論文「The Decrease in Diversification and Corporate Governance : Evidence from Japanese Firms」にまとめ、本年の7月に中国・上海で開催されるThe International Federation of Scholarly Associations of Management (IFSAM)の9th World Congress 2008 に投稿した。そして審査の結果、上記の学会で報告する機会を得た。以上が、昨年度の研究成果である。
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