2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
The cooperation and the innovation process in an industrial district
Project/Area Number |
19730273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
AKIBA Futoshi Nihon Fukushi University, 福祉経営学部, 准教授 (00340282)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Keywords | 産業集積 / 地域 / ネットワーク / 場 / イノベーション |
Research Abstract |
(1) 研究の目的 地理的近接性がもたらすインフォーマルで頻繁な接触が,自動的に模倣や刷新を生み出し,集積全体でイノベーションを発生させるというモデルはそのイノベーションのメカニズムの詳細については仔細に検討していないため,見方によってはかなり楽観的なモデルといえる. これまで予備調査によって,産業集積内の企業と,その企業に発注する企業との相互作用において,それぞれの認識に大きな違いがあることが発見事実として認識されつつある.鯖江では通常は生産プロセスに参加しないサプライチェーンの末端の人々が,様々なきっかけで生産プロセスに参加する頻度が大きく,その人々からの要求がイノベーションを連鎖的に発生させる要因になっていると考えられるのである.しかし,なぜそのようなプロセスが生み出せたのかといのは明らかになってはいない. 本研究は鯖江のメガネ枠産業のイノベーションメカニズムを産地と市場の関係に着目して明らかにすることが目的である.ここ10年程で,鯖江のメガネ枠産業はその生産のあり方を変化させ頻繁にイノベーションを生み出すような形に進化していると考えられる.そのプロセスを追いながら,産業集積においてイノベーションが連鎖的に生まれるようになる要因を解明することを試みる. (2) 研究の内容(研究計画) (1) 一年目 産業集積内の企業へのヒアリングと発注側の市場関係者へのヒアリングを行う.この際,組合や行政など一部の機関からの紹介に頼ると取得されたデータにバイアスがかかる可能性があるため,ヒアリング対象は生産工程におけるポジションや生産規模などに多様性を持たせたデータ取得を目指す.市場関係者については同様の留意を行う.また,数多くのヒアリングを行うこととなるため,研究者側の印象バイアスを避けるべく,ヒアリング内容はすべてテキスト化し,客観データとする. (2) 二年目 これまでの研究結果との整合性を議論し,データの取得をどの程度まで行うかについて再検討する.その上でさらにデータが必要と思われる場合はデータ取得を継続し,さらなる領域密着理論化を目指す. (3) 三年目 取得されたデータを元に仮説を構築し,定量調査設計をおこなったうえで,パイロットスタディを実施.質問票を修正した上で,定量調査を実施する. (4) 四年目 得られた定量データをもとに分析を実施し,理論構築と理論の精緻化をおこなう.(継続申請により修正された研究計画へ移行)
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Research Products
(3 results)