2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730284
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
柴田 典子 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 准教授 (60347284)
|
Keywords | 消費者行動 / ブランド / 自己表現 / アイデンティティ / マーケティング / 自己概念 / 自己呈示 / 消費者価値 |
Research Abstract |
昨年度に続き、消費者の自己表現の一手段としてブランドが役立つという、ブランドの自己表現的機能を追求した。 基本的に、一度の自己表現で自分にとって望ましい自己を100%表現することは不可能であり、しかしながら実際に表現した自己と理想の自己とのギャップがあるからこそ更なる自己表現につながる、という、これまでに得た自身の仮説を理論的、実証的に検証することを目的として研究を進めた。 これまでの自身の研究で、自己表現には他者に対する自己表現である「自己呈示」という面と、自分自身に対する内部志向的で自己完結型の「内的自己表現」という2側面があるということが分かった。従来、消費者行動研究およびブランド論研究において「自己表現」が語られる場合、他者に対する自己表現、すなわち「自己呈示」のみを意味していた。しかし、本研究では、他者に対する自己表現だけではなく、自己満足ともいえる自分自身に対する自己表現(内的自己表現)の存在と、その概念上の重要性を明らかにすることに本年度は注力した。加えて、自己表現の手段となるブランドに、具体的にはどのような消費者の自己が投映されているのか分析した。このようにして、理論的、実証的に、消費者の自己とブランドが共に進化していくプロセスを探求した。
|