2009 Fiscal Year Annual Research Report
アナロジーを用いた消費者の新製品採用行動と新製品導入のマーケティング戦略
Project/Area Number |
19730290
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
田嶋 規雄 Takushoku University, 商学部, 准教授 (20328008)
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Keywords | マーケティング / 消費者行動 / 新製品 / 情報処理 / アナロジー / デジタル家電 |
Research Abstract |
平成21年度は、主に、前年度の研究成果をベースにした事例研究に当てられ、文献研究とあわせたその成果を研究会において発表した。 事例研究では、薄型テレビを題材として取り上げ、新製品としての薄型テレビが市場に普及していく際に、購買に直面した消費者がどのような情報処理を行い、どのような行動を取るのかを分析した。薄型テレビを始めとしたデジタル家電を市場にいかに普及させていくのかということは、今日の日本の家電メーカー、さらには日本の製造業が競争力を維持していくために非常に重要な課題であるのと同時に、デジタル家電を想定した新製品の消費者行動に関する研究はまだ不十分であることが、本研究の問題意識であり、研究の意義でもある。 薄型テレビの普及過程における消費者行動を捉えるためには、認知心理学の視点から、とりわけ消費者が記憶の中に保持する内部情報の多様性に注目する必要があるとの問題意識を設定した上で、分析枠組みとして類推プロセスを用いて、新製品に対する消費者行動の理論枠組みの構築を試みた。そこから浮き上がってくる薄型テレビの消費者行動、は2000年以前のブラウン管テレビの消費者行動とは明らかに異なるものであり、企業には消費者の内部情報を生かしたマーケティングが求められることが明らかになった。また、実際の薄型テレビのマーケティング状況を鑑みた場合には、消費者行動だけではなく、家電流通の動態にも注目する必要があり、とりわけ寡占化が進む家電量販店の動向についても分析を行った。 なお、この事例研究の成果は、今年9月発行予定のマーケティング関連の書籍(共著、タイトル未定)にて発表される予定である。
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