2009 Fiscal Year Annual Research Report
オンライン空間における消費者のコミュニケーション行動とアイデンティティニ関する研究
Project/Area Number |
19730295
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
玉置 了 Kinki University, 経営学部, 准教授 (40434849)
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Keywords | アイデンティティ / 購買意思決定 / 廃棄行動 / ファッション / 消費者行動 |
Research Abstract |
本年度は,4つの視点から研究をすすめた。まず消費者のオンライン空間における消費者のアイデンティティ形成とコミュニケーション行動については,消費者のアイデンティティ形成様式を選考研究から4つに類型化したうえで,その実証を試みた。衣服の消費をとりあげ,衣服の消費を通じたアイデンティティ形成過程においてインターネット上での行動を含む情報探索行動や購買店舗の選択,また属性の評価行動が,消費者のアイデンティティ形成様式の違いによって異なることを明らかにした。2つめに消費者のアイデンティティ形成行動の理論的探究を深めることを目的に衣服の廃棄行動に着目し,消費者が自らの人生経験を衣服に投影する意識と廃棄行動との関係を検討した。そこでは衣服に人生経験を投影する意識の高い消費者の方が,衣服の廃棄時に思い出の希薄化や嫌な思い出の存在を強く意識すること,廃棄方法も永久的に廃棄するより,保管やリフォームすることを望んだり,手放すとしても,楽しみ目的でフリーマーケットなどに出品するといった意識を持つことを明らかにした。3つめに,廃棄物を再生した製品とファッションの関係について調査し,海外では我が国よりもよりファッション性を重視したビジネスが登場していることを確認した。今後,廃棄物とファッションに関する国際的な比較研究も研究の課題として考えられることが示唆として得られた。4つめに,消費者のデジタルカメラ購入とロコミ情報の参照とアイデンティティ形成意識との関係について調査を行った。
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