2008 Fiscal Year Annual Research Report
企業のガバナンス構造の変化が財務会計に及ぼす影響に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
19730306
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 史彦 Tohoku University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10329691)
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Keywords | 実証的会計研究 / 業種分類 |
Research Abstract |
本研究では、日本企業のガバナンス構造の変化が財務会計に及ぼす影響に関して、理論的・実証的に検討することを課題とし、バブル経済期以降の日本企業の財務特性、業績等をふまえた経営者の会計行動の調査を進めた。しかし、その分析の過程において、実証分析における基本的な問題について、既存研究による方法では問題があることが明らかとなったことから、日本企業の長期的な分析に対応する基本問題に関する研究を先に進めた。そこで成果として報告したのは、財務会計の実証分析について広く用いられる業種変数についての研究である(『業種分類の信頼性比較-日経業種分類、東証業種分類、およびGICS業種分類の比較分析-』)。日本企業について適用可能な業種分類としては、日経業種分類、東証業種分類、世界産業分類基準があり、それぞれについて粗分類と細分類を有している。そこで、結決算ベースの18の財務指標について、異なる業種分類の下で同質的な(homogeneous)企業群がグルーピングされているのかを検証した。その結果、企業業績、成長性、株式市場関連の指標は各業種分類によってグルーピングされた企業群の同質性に差異が観察されない一方、企業規模、流動性、資本構成、資産効率性、営業サイクルに関連する指標は日経業種分類中分類・東証業種分類中分類を用いた場合、より同質的な企業群が構成されており、これらの分類の信頼性が相対的に高いことが示唆された。 現在、こうした基礎的な研究をふまえて当初の研究課題についての検討を進めており、今後成果を報告する予定である。
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Research Products
(1 results)