2007 Fiscal Year Annual Research Report
多国籍企業のディスクロージャーとバリュエーションに関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
19730314
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
浅野 敬志 Aichi Shukutoku University, ビジネス学部, 准教授 (30329833)
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Keywords | 多国籍企業 / セグメント情報 / 企業評価 / 情報開示戦略 / 会計情報の有用性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マーケットによる海外業績の評価、その評価を受けての多国籍企業の評価、ディスクロージャーが海外業績の評価に及ぼす影響について、理論的かつ実証的に分析することにある。平成19年度は研究の初年度ということもあり、主に文献サーベイとデータベースの構築を行った。文献サーベイに関しては、主に欧米のTop tierと呼ばれる雑誌を中心にサーベイを行った。また、最先端の研究にキャッチ・アップするために、ヨーロッパの学会(ヨーロッパ会計学会が主催するAnnual Congress(リスボン市)とWorkshop on Accounting and Regulation(シエナ市))に参加した。前者の学会では研究発表も行った。両学会で重要と思われる研究論文をいち早く入手できたことは、研究を進める上で大きな収穫となった。データベースの構築に関しては、日本経済新聞社が提供しているFinancial Questから所在地別セグメント情報のデータを抽出し、その整理作業を行った。所在地別セグメント情報は特殊であり、その収集・整理作業には時間がかかるため、現時点ではまだ完成しておらず、引き続き作業を続ける予定である。また、株価反応に関する分析も行うため、株価データの整理も行っているが、市場モデルを用いた累積超過リターンの算定などには長いスパンのデータが必要である。こちらも引き続き、作業を続ける予定である。多国籍企業の海外事業の評価、およびその評価を受けての多国籍企業の評価は、相反する結果が混在している。したがって、企業の有する無形資産とその競争力に基づき慎重に仮説を立て、様々な分析手法によって業種ごとに分析を行う必要がある。平成19年度は文献サーベイから仮説設定のアイデアを、データベースの構築からどのような分析が可能かに関する知見を得ることができた。これを踏まえて、今後は効率よく研究を行っていきたいと考えている。
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Research Products
(6 results)