2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730315
|
Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
草野 真樹 Kyoto University, 経済学研究科, 准教授 (50351440)
|
Keywords | 会計学 / 公正価値 / 保険契約 / 金融商品 / 収益認識 |
Research Abstract |
本研究最終年度の平成21年度は,保険契約の会計処理と密接に関連する金融商品の会計処理を素材として,次の論文を公表し,研究成果を学会で発表した.まず,「金融商品の公正価値会計と複式簿記-ローン・コミットメントを中心として-」(『日本簿記学会会報』第24号)では,ローン・コミットメントを素材として,金融商品の全面公正価値会計が複式簿記に与える影響について検討し,取引の継続記録の重要性は相対的に低下するものの,利益測定を支えるために複式簿記が依然として必要とされ続けることを明らかにした.また,「金融負債の公正価値測定と無形財-要求払預金の会計処理を中心として-」(『會計』第176巻第4号)では,要求払預金に関連する(長期的な)顧客との関係に焦点を当て,金融負債の公正価値測定の特徴を明らかにした.その結果,要求払預金を公正価値で測定する際に,コア預金無形財を認識史測定の対象として取り扱わない場合,公正価値の定義と測定値の分離を指摘することができ,コア預金無形財を認識・測定の対象として取り扱う場合,自己創設の無形財の認識を指摘することができる.さらに,「金融負債の公正価値測定と報告企業の信用状態の変化」(日本簿記学会第25会関西部会)では,報告企業の信用状態(信用リスク)の変化を考慮して,金融負債を測定する場合,代替的な利益測定方法を明らかにした上で,それらの特徴について明らかにした. 以上の研究成果を踏まえて,生命保険会計研究会で「負債の公正価値測定と保険会計」という研究報告を行った.
|
Research Products
(3 results)