2007 Fiscal Year Annual Research Report
インタンジブルズ管理に向けて管理会計が果たす役割と実態
Project/Area Number |
19730320
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
木村 麻子 Kyushu Sangyo University, 商学部, 准教授 (30389233)
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Keywords | インタンジブルズ / 管理会計 / プロセス・マネジメント |
Research Abstract |
本年度は、管理会計がインタンジブルズ管理に向けて貢献しうる役割を明らかにするこという研究全体の目的に沿って、文献研究を進めた。企業の経営管理に有用であるとされる、プロセス・マネジメントをインタンジブルズ管理に適用することを想定した論文を執筆した。インタンジブルズの中でもとくに研究開発活動に対してプロセス・マネジメントの概念が有用であることは平成18年発行の論文にて検討済みであり、平成19年度の研究においては、プロセス・マネジメント概念の整理と管理会計におけるプロセス・マネジメントの重要性について考察した。 プロセスという用語は、管理会計はもとより、経営学を含めた隣接諸科学で用いられる言葉であるが、その用語の意味するところは研究者によって異なる。そこで、まずプロセスという用語を整理し、その上で管理会計の諸技法をプロセス・マネジメント概念にあてはめた。次いで、管理会計におけるプロセス・マネジメント概念の重要性について検討した。プロセスは、マネジメント・コントロールを指向する経営管理プロセスと、オペレーショナル・コントロールを指向する組織プロセスとに分類することができる。各プロセスはまた、その性格ごとに方向設定プロセスやワーク・プロセス等に分類化されるものである。近年、管理会計領域において実務および理論の両方で注目を集めたABC・ABMやバランスト・スコアカードも、企業の経営管理プロセスや、組織プロセスにあてはめることができる。つまり、プロセス・マネジメントはすでに管理会計の諸技法として実践されているものといえる。けれども、それらはプロセス・マネジメントと自覚してなされているものではない。プロセスを捉えることを指向し、より効率的かつ効果的な経営管理を実践することが可能になると考える。
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Research Products
(1 results)