2008 Fiscal Year Annual Research Report
マルチステークホルダーによるガバナンスのための企業情報開示に関する研究
Project/Area Number |
19730322
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
記虎 優子 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 現代社会学部, 専任講師 (50369675)
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Keywords | 企業の社会的責任 / CSR / テキストマイニング / 企業ウェブサイト / 情報開示 / 定性的情報 / テキスト型データ / コーポレート・レピュテーション |
Research Abstract |
1 テキストマイニングによる記述情報の分析 企業の社会的責任(CSR)に対する基本方針についての各企業の比較的短文の記述回答に対してテキストマイニングを行うことにより、CSRに対する各企業の捉え方や考え方を追究した。その上で、CSRに対する基本方針に基づいて、企業をいくっかの企業群に類型化した。 2 CSRに対する基本方針と企業ウェブサイトにおける情報開示の関係についての実証的分析 CSRに対する基本方針に基づく企業の類型化の結果を踏まえて、企業ウェブサイトという特定の開示媒体に焦点を当てて、企業の情報開示の規定要因の1つに、CSRに対する捉え方や考え方といった定性的な企業特性があるのかどうかを解明した。その結果、CSRに対する各企業の捉え方や考え方の違いによって、企業ウェブサイトにおいて情報開示に積極的に取り組むという具体的なCSRの取組みが異なることを示した。 3 企業ウェブサイトにおける情報開示の効果の検証 企業ウェブサイトという特定の開示媒体に焦点を当てて、コーポレート・レピュテーション(企業の評判)に着目することにより、企業の情報開示の効果を解明した。その結果、企業が情報開示に積極的に取り組むことによって、他企業と比較した場合に、コーポレート・レピュテーションを相対的に改善することができることを示した。また、コーポレート・レピュテーションの改善効果は、開示される情報の種類によって異なり、専門的な情報開示を充実させるよりも、より一般な情報の開示充実の方が、効果的であることを示した。さらに、この改善効果は、そもそもコーポレート・レピュテーションが低い企業ほど、大きいことを示した。
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