2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本的生産システムの再編期における小集団活動の研究
Project/Area Number |
19730328
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小川 慎一 Yokohama National University, 国際社会科学研究科, 准教授 (30334618)
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Keywords | 小集団活動 / QCサークル / 日本的生産システム / 日本的雇用慣行 |
Research Abstract |
平成21年度は、小集団活動実施事業所の推進担当者に聞き取り調査を実施するとともに、雑誌論文に2本執筆し、学会大会報告を1本おこなった。 自動車産業の小集団活動を実施する2事業所(それぞれ別の企業)に、その実施状況と近年の変化について聞き取り調査をおこなった。小集団活動は1990年代以降に停滞している。そのなかにおいて、両事業所とも小集団活動を継続してきた。しかし両事業所とも90年代に活動のマンネリ化が見られた。2000年前後に両事業所とも活動方法の見直しをおこなっている。たとえば、小集団活動に財務的な改善成果を強く求めている。また活動に関与する従業員の職種を再定義している。 小集団活動を実際におこなうのは、現場の小集団のメンバーであるが、推進担当者がどのような活動をしているのかは、かならずしも明らかにされてこなかった。企業上層部の理解度によって、推進担当者の活動の多忙度や推進のしやすさが変わることが明らかになった。小集団活動を理解するためには、現場従業員に焦点を当てた従来の視点だけでなく、企業上層部の理解や推進担当者の活動にも光を当てることが必要である。それは労使関係といった二分法ではなく、組織内のより複数のアクターの認識が交錯する、動的な過程として見ることが必要である。 雑誌論文の執筆のうち1本は、平成20年度の学会大会報告を活字にしたものである。もう1本は、小集団活動など品質管理の専門家からなる学会の学会誌への寄稿である。調査対象をたんに調査対象と見るだけでなく、研究活動の成果を調査対象者へ還元できたことの意義は小さくない。 学会大会での報告により、聴衆からさまざまな意見を聞くことができ、今後の研究の参考になった。
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Research Products
(3 results)