2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730331
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山本 薫子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (70335777)
|
Keywords | 都市 / インナーエリア / グローバル化 / 創造都市 / 社会的排除 |
Research Abstract |
2010年度の研究実施計画で挙げた、(1)経済不況後の新たな生活困難層の社会状況と寿町地区での生活実態、(2)地区内で暮らす生活保護層に対する医療、福祉面での支援状況と簡易宿泊所の活用状況、(3)行政、自治会等を中心としたまちづくり、地域再生事業の状況、(4)アートプロジェクトなど新規参入した団体の活動状況のうち、(1)(2)については地域活動団体への参与観察調査を実施し、データ収集を実施すると同時に、2007年度以降収集存実施してきたインタビューデータについて生活史の観点からまとめ、分析を行った。(3)(4)については、地域団体のうち自治会と寿オルタナティブネットウーク(アート活動による地域活性化を行う市民団体)の活動を中心に資料収集を実施し、ギャンブル施設の地区内への誘致(2007年)にともなう交付金が地域生活環境整備に充てられていく過程とそこでの地域内相互作用について把握し、資料収集を実施した。 また、住民の大半が単身男性であり、近年地球の再開発が進められているなど寿町地区と類似点の多い、カナダ・バンクーバー市の都市下層地域DTESを2010年11月に訪問し、地域形成過程、地域での住民活動、行政の取り組みなどに関する基礎的資料を得た。これは今後、都市貧困地区の再開兆をめぐる国際比較研究を実施していく上での重要な資料となる。 さらに、横浜文化創造都市スクール(北仲スクール)において2009年度に引き続き、2010年12月~2011年2月の期面にフィルドワークのワークショップを実施した。この過程で地域住民および地域活動関係者らに生活史の聞き取りを行った。これは研究代表者による寿町地区での調査研究およびその成果の社会への実践的還元といえる。
|