2009 Fiscal Year Annual Research Report
改正まちづくり3法下における、まちづくりの担い手形成の都市間比較に関する実証研究
Project/Area Number |
19730333
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢部 拓也 The University of Tokushima, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (20363129)
|
Keywords | エリアマネジメント / まちづくりの担い手 / 中心市街地活性化 / 都市再生 / 地方都市 / 参与観察 / 水平展開 / 社会起業 |
Research Abstract |
当初は、改正まちづくり3法の成功事例である青森市、富山市への聞き取り調査を計画していたが、九州地区のまちづくり活動が活発になったために、本年度も引き続き、熊本を中心とした九州地区のまちづくり活動の調査(福岡・北九州)を中心に進めた。その代わりに、青森市、富山市同様、改正まちづくり3法の成功事例である高松市の丸亀商店街への聞き取り調査を進めた。また、本年度も、現在のまちづくりの担い手形成過程の状況を把握するために、これまで継続して行っている、「熊本市の商店街のエリアマネジメントの試み」、「徳島市の中心市街地活性化の活動」、「長浜市のまちづくり活動」への参与観察を行った。加えて、新たなまちづくり会社が設立された札幌市、創造都市で注目されている横浜市、地域通貨(アトム通貨)により全国展開を志向している早稲田商店街など、新しい動きをしている注目地域への聞き取り調査を行った。 また、これまで継続した参与観察を行っている長浜の事例を、9月12日に開催された計画行政学会にて「まちづくり組織による中心市街地再生-長浜型まちづくりにおけるコモンズの形成過程」というテーマで、報告を行った。本年度の新たな試みとして、これまで都市部のまちづくりの担い手形成と都市再生のダイナミズムにのみ注目していたが、地域社会学会第34回のシンポジウムに参加し、近年注目されている、北川フラム氏による越後妻有トリエンナーレによるアートを用いた中山間村のまちづくりにも、土地の所有と利用の分離を基本としたダイナミズムが根底にあることが見出された。また、このダイナミズムは、アメリカのまちづくり会社(Community development corporation)とも共通する点があると考え、7月18日の地域社会学会研究例会で報告した。本成果は、来年度発行予定の『地域社会学会年報』に掲載される予定である。
|
Research Products
(2 results)