2008 Fiscal Year Annual Research Report
外傷や疾病等による外貌損傷者の生活支援システムに関する社会学的研究
Project/Area Number |
19730338
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
的場 智子 Toyo University, ライフデザイン学部, 准教授 (40408969)
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Keywords | 熱傷 / 韓国 / 外貌 / 患者団体 / 当事者組織 / セルフヘルプ |
Research Abstract |
韓国は日本よりも熱傷受傷者の治療件数が多く、その分社会復帰者の数も多い。そこで今年度は韓国において(熱傷・家族・社会復帰・生活)などをキーワードとする学位論文および韓国内出版物から、熱傷に関係した社会系学術誌から資料収集を行った。重傷熱傷体験者に対するグループカウンセリングを施した研究、重傷熱傷体験者の心理社会的問題に対する社会福祉士の介入に関する研究、重傷熱傷体験者のQOLに対する医療社会福祉士のニーズに関する研究などがあり、わが国の医療社会福祉領域では、重傷熱傷体験者に対するここまでの実証研究が行われていないため、今後のわが国の研究、実践においても大変有益な資料を得ることができた。より後遺症が重く、経済状況が悪い患者ほどQOLが低くなっているという結果も既に報告されていた。また、世界で最も熱傷患者の治療数が多い漢江誠心病院社会福祉室スタッフからヒヤリングを行う。韓国内では心臓病や白血病患者のための患者サポート組織(後援会)は存在したが、熱傷患者に対しては漢江誠心病院のものが初めてであった。医学研究のための熱傷学会は存在したが、熱傷患者の経済的困難を認知しての後援会結成を準備し、会員集めや資金、人的サポートなどをできるだけ早く整えることが必要とされていた。治療を受けた患者たちが退院するに際して著した不安事項の中でも特に目立つのが、やはり退院してからの社会復帰に対する不安と、病院外に出たときに他人からじろじろ見られることに対する不安が多く記されていた。また、長期入院による医療費の問題、長期入院がもたらした人間関係の変化への不安も強く、面談等を通じてそれらに対する社会福祉士の心理社会的サポートが進められていた。
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Research Products
(2 results)