2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
A sociological study about the life support systems for the person of exterior damage by wound or illness
Project/Area Number |
19730338
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sociology
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
MATOBA Tomoko Toyo University, ライフデザイン学部, 准教授 (40408969)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2009
|
Keywords | 熱傷 / 身体 / 外貌 / スティグマ / まなざし / 患者団体 / self help / 韓国 |
Research Abstract |
目的:疾病や不慮の事故、外科手術等のために変化した外貌に関して、近年わが国では形成外科治療に加え、メディカルメイクやかつら、人工装填物(エピテーゼ)など、医療以外の技術も進められ、もとの姿に少しでも近づけるような技術は進歩してきている。しかし社会の人々からの好奇、嫌悪、同情の視線はいまだに変わらず存在し、外貌の変化による自己イメージの崩壊は、引きこもりや社会関係の遮断、断絶に繋がっていることも多く、精神的なサポート、就労支援、また社会の側のさらなる理解を得る活動も必要とされている。そこで本研究は、疾病や外傷のために外貌を損傷し、Body Imageの変容をきたした者がlife(生命・生活・人生)を再構築していく上で当事者たちが求めるニーズを把握し、諸外国の先進事例からも学び、わが国の社会文化的背景も考慮に入れた、彼らが必要としている生活支援システムについての発信を目的とする。具体的には、熱傷体験者や、癌治療の副作用で身体の一部、頭髪、体毛を失った者などに焦点を当て、彼らが社会生活を再開する上で必要とするサポート、社会の人々の彼らに対する理解を目的とした啓蒙・教育はどう行われているのか、またそれは誰によって、いつ提供されるのが望ましいのか、当事者・医療者だけでなく社会システム全体を視野に入れたマクロな視点から捉えることをめざす。 内容:通常、外貌を損傷した者についての研究は、医学的観点から言及されることが多く、いかに治療で美しくなるか、元の姿に近づけるかが中心に置かれていた。しかし、本調査研究では、社会構造や医療システム、社会保障制度、医療制度といったマクロな視点で外貌損傷者のおかれた状況を把握すると共に、外貌損傷者の「生活」、当事者や家族の語りに広く、深く向かい、採集していくことを目指す。たとえば患者・家族と医師・医療機関との日常的な関係のありようにまで降り立ったうえで、詳細な語りと出会うことを目標としている。そのうえでどこにどのようなニーズがあるのかを、文献資料と当事者へのインタビューをもとに解読し、諸外国の事例も参考にして、今後わが国の外貌損傷者が少しでも生活しやすい社会を作るには、どのような生活支援システムが必要で、それに向けた社会の側の対応、患者―医師関係、家族関係があり得るのかなどを構想していく。
|
Research Products
(6 results)