2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における地下鉄の誕生とモダニティ経験の変容にかんする文化・歴史社会学的研究
Project/Area Number |
19730340
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
近森 高明 Japan Women's University, 人間社会学部, 講師 (10411125)
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Keywords | 社会学 / 都市空間 / モダニティ |
Research Abstract |
平成20年度の研究内容と主な成果は以下の通りである。 1 W. ベンヤミンのイメージ的思考の検討 本課題の理論的背景となるベンヤミンの空間/イメージ的思考を検討した。(1)H. ルフェーヴルとベンヤミンのイメージ概念を比較・検討する報告をおこなった(「ベンヤミンとルフェーヴル」Cultural Typhoon 2008 in Sendai)。(2)ベンヤミンの概念《弁証法的イメージ》の形成過程をたどりつつ、その両義性の由来を探る試みをおこなった(「直接性を迂回する」)。 2 都市とメディアの関係性の検討 都市空間に各種のメディアが埋め込まれてゆくプロセスを歴史的にたどったScott McQuire, The Media City(2008)の書評論文を執筆した("8etween the 'Media City' and the 'City as a Medium")。 3 歴史資料の収集・整理 大正〜昭和初期を中心に、地下鉄および路面電車を主題とする歴史資料を収集・整理した。 4 地下鉄を主題とする独立論考の執筆 1920年代東京における地下鉄の導入過程について、都市とテクノロジーの相互陥入という視座から考察する論考を執筆した(「地下鉄のなかの都市」)。(a)早川徳次の初期構想が高速鉄道網の策定と結びつく経緯、(b)路面電車の導入過程との比較、(c)デパートとの連携と地下鉄ストアの設立、という三つの点の検討をつうじて、統計的都市のリアリティに準拠する一連の知と想像力が地下鉄の構想と接合し、あらたな都市的現実が生みだされてゆく動態を照らしだした。
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Research Products
(5 results)