2007 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設小規模ケアにおける環境設定のあり方に関する研究
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19730352
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉余子 Saitama University, 教育学部, 講師 (10389702)
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Keywords | 児童養護施設 / 小規模ケア / ケア形態 / 小規模化 |
Research Abstract |
近年、その必要性が強く指摘されている児童養護施設における養育形態の小規模化について、その現状と課題を明らかにすべく研究を進めた。 今年度は、児童養護施設の小規携ケアに関する先行研究の分析によって課題を整理し、質問紙作成の準備を進めた。また、小規模ケアを実施している児童養護施設長へのインタビューを通して、小規模ケアに移行する際の留意点や必要な配慮などについて検討を行った。 先行研究レビューの結果、児童養護施設の小規模化について、児童養護施設長や現場の職員のほとんどが、その必要性を強く認識していることが確認された。小規模化のメリットとしては、子どもの育ちにおける効果が指摘される一方で、課題としては、子どもに関するものよりも職員配置や労働条件といった施設職員体制をめぐる問題が多く挙げられていた。さらに、小規模ケアの最大の特徴、大きな効果をもたらすものとして、子どもたちの食事環境に関する内容が、先行研究の中で多く触れられていた。次年度の研究においても、児童養護施設における食事環境について、小規模ケアに必要な環境設定の一つとして注目しながら研究を進めたい。 調査票の質問紙を作成するにあたって、回答者を施設長にするのか小規摸ケア担当職員にするのかについて慎重に検討した。施設運営には施設長の意識が深く関わり実態に反映されていると考えられるし、また一方で、小規模ケアにおいては担当職員の個性や特性が強くケア実践そのものに反映されると考えられ、いずれを調査対象とするかについては、調査項目を作成する中で、慎重な判断が必要であった。そこで本研究においては、質問紙調査は両者を調査対象とし、ヒアリング調査では担当職員を対象に絞り、より質的に深く研究を進めることとした。施設長には運営方針やアドミニストレーションに関することを、担当職員には実践・臨床的なミクロの部分について質問することによって多角的に小規模ケアのあり方について考察したい。
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