2007 Fiscal Year Annual Research Report
福祉アクセシビリティに着目した地域生活支援方法と体制整備に関する研究
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19730360
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
越智 あゆみ Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 助教 (60445096)
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Keywords | 福祉アクセシビリティ / ソーシャルワーク機能 / 生活ニーズ / 地域生活支援 / 社会資源 / 精神障害者退院促進支援事業 / 自立支援員 / 支援体制整備 |
Research Abstract |
本研究は,様々な生活ニーズを抱えながら地域で暮らす人々が安定的に地域生活を維持するための要因として「福祉アクセシビリティ」(社会資源へのアクセスのしやすさ)に着目し,福祉アクセシビリティを高め維持するための支援方法と,その支援方法の安定的な継続を実現する体制整備の在り方を検討することが目的である。この目的を達成するため,本年度は次の3点の課題に取り組んだ。 (1)地域生活支援に関する文献研究 文献研究をもとに,本研究で取り組むべき課題と研究の進め方について検討した。その上で,(1)精神障害者退院促進支援事業における自立支援員,(2)事業に取り組む社会福祉法人の管理者,を対象に聞き取り調査を実施した。 (2)自立支援員および事業管理者への聞き取り調査 自立支援員への聞き取り調査では,「福祉アクセシビリティ」および「ソーシャルワーク機能」という観点に着目して,事業利用者との関係構築のために留意している点,具体的な支援内容とその方法,活動を支える支援体制への希望,などを聞き取った。事業管理者への聞き取り調査では,当該事業を活用して安定的・継続的に退院促進支援を行うための留意点や,自立支援員への支援体制などについて聞き取りを行った。 (3)相談支援従事者が役割を発揮するための支援体制に関する検討 2つの調査で共通して明らかになったことは,相談支援従事者の活動に対する支援体制整備の重要性である。個々の相談支援従事者が担うべき役割の範囲を明確にした上で,業務遂行上必要な知識・技術を習得・向上するための研修や,業務上の不安や困難事例を相談できる窓口を明確にしておくことは,事業利用者の「福祉アクセシビリティ」を高めることにもつながる。この点は,過去に実施した介護支援専門員の労働環境に関する調査研究で得た結果とも共通しており,地域生活支援における重要な課題であることを確認することができた。
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