2008 Fiscal Year Annual Research Report
福祉アクセシビリティに着目した地域生活支援方法と体制整備に関する研究
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19730360
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
越智 あゆみ Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 助教 (60445096)
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Keywords | 福祉アクセシビリティ / ソーシャルワーク機能 / 生活ニーズ / 地域生活支援 / 社会資源 / 精神障害者退院促進支援事業 / 自立支援員 / 支援体制整備 |
Research Abstract |
本研究は, 様々な生活ニーズを抱えながら地域で暮らす人々が安定的に地域生活を維持するための要因として「福祉アクセシビリティ」(社会資源へのアクセスのしやすさ)に着目し, 福祉アクセシビリティを高め維持するための支援方法と, その支援方法の安定的な継続を実現する体制整備の在り方を検討することが目的である。この目的を達成するため, 本年度は次の2点の課題に取り組んだ。 (1)地域生活支援に関する文献研究 文献研究をもとに、わが国における地域生活支援や福祉アクセシビリティの実態と課題を検討した。本年度は、イギリス・シェフィールド市での現地調査を行い、現地でも多数の文献を収集することができた。特に、一般の市民を対象に相談窓口で配布している多くの資料には、マイノリティの人々を含めた住民の福祉アクセシビリティを保障するための工夫を随所に確認することができた。これらの資料をもとに、イギリスの現状と比較したわが国の現状と課題について検討した。 (2)支援者からの聞き取りを踏まえた『地域生活サポートブック』の作成 長期入院から地域生活に移行した精神障害当事者の支援に取り組む支援者から、精神障害者の地域移行支援・地域生活支援を行った時に困ったことについて聞き取りを行った。その中で、当事者自身がわからないことが出てきた時に、どこに相談したらいいか、どのように対処したらいいのかを確認できる冊子があれば、福祉アクセシビリティを高める上で有効ではないかと考えた。そこで、支援者らの協力を得て、地域で生活していく上での具体的な事項(相談支援機関の役割と連絡先のほか、食事、洗たく、金銭管理、服薬など)の手順や留意点をわかりやすくまとめた『地域生活サポートブック』を作成した。
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