2009 Fiscal Year Annual Research Report

福祉アクセシビリティに着目した地域生活支援方法と体制整備に関する研究

Research Project

Project/Area Number	19730360
Research Institution	Prefectural University of Hiroshima
Principal Investigator	越智あゆみ Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 助教 (60445096)
Keywords	福祉アクセシビリティ / ソーシャルワーク機能 / 生活ニーズ / 地域生活支援 / 社会資源 / 精神障害者退院促進支援事業 / 自立支援員 / 支援体制整備
Research Abstract	本研究は,様々な生活ニーズを抱えながら地域で暮らす人々が安定的に地域生活を維持するための要因として「福祉アクセシビリティ」(社会資源へのアクセスのしやすさ)に着目し,福祉アクセシビリティを高め維持するための支援方法と,その支援方法の安定的な継続を実現する体制整備の在り方を検討することが目的である。この目的を達成するため,本年度は次の3点の課題に取り組んだ。 (1) 「アクセシビリティ」概念とソーシャルワークに関する文献研究「人々がその環境と相互に影響し合う接点に介入する」というソーシャルワークの国際定義に従えば、人々と環境の間の「接点のあり方」は、ソーシャルワークの最も中核的な焦点といえる。本研究で鍵概念となる「アクセシビリティ」は、人々と環境の間の「接点のあり方」を示す概念であることについて、文献研究を行った。 (2) 相談支援専門職のワークストレスに関する研究相談支援専門職の労働環境改善は「アクセシビリティ」確保においても重要課題となる。介護支援専門員のワークストレスに関する調査結果の分析を通して、相談支援専門職を対象としたメンタルヘルス対策の必要性を提言した。 (2) 「アクセシビリティ」に配慮した『地域生活サポートブック<改訂版>』の発行前年度、地域で生活していく上での具体的な事項の手順や留意点をわかりやすくまとめた『地域生活サポートブック』を作成した。本年度は、この冊子の内容を基本としながら、再度、支援者らの協力を得て、図や写真を多く取り入れたり、利用者の作品を掲載して親しみやすいものにするなど「アクセスのしやすさ」に配慮した改訂版の作成に取り組んだ。この冊子作成を通して、「アクセシビリティ」を高めるには、「必要な情報が載っている」というだけではなく、「親しみやすさ」や「イメージしやすさ」などへの配慮が重要な要件になることを確認した。