2007 Fiscal Year Annual Research Report
親と暮らす障害のある若者の自立に関する研究-日常生活構造と将来生活設計に着目して
Project/Area Number |
19730361
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
新藤 こずえ Kochi Women's University, 社会福祉学部, 助教 (90433391)
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Keywords | 障害のある若者 / 社会的自立 / 生活構造 |
Research Abstract |
本研究では,親と同居している障害のある若者の日常生活構造と将来生活設計を当事者および彼らが日常的に関わる人々の視点から明らかにすることを目的として次の2つの柱を設定した。第一に,親と同居する障害のある若者の日常生活構造を把握すること。第二に,障害のある若者本人,その親,福祉サービス提供者の三者のそれぞれが考える障害のある若者の「自立観」と将来展望を明らかにすることである。これらを踏まえ,日常生活構造と将来展望への意識を解明することによって,親が介護してくれる生活から親なきあとの生活への移行の際の「断絶」という問題の解決と障害のある若者の将来生活設計にとって有効な視座の提供につなげていくことが本研究の意義である。 平成19年度は,第一の柱である《親と同居する障害のある若者の日常生活構造を把握と分析》をすすめ,客観的な構造の部分の把握を行うよう努めた。具体的には以下のとおりである。(1)先行研究の検討および日常生活調査にかんする質問紙の作成:障害者の日常生活構造のうち,生活時間(就労時間,生活必需時間,自由時間),生活空間(家庭内,家庭外),所得・資産(個人および家族の所得、資産,収入の使い道)といった項目を的確に把握するための設間を吟味する。国内外の先行研究の収集と整理,質問紙作成を行った。(2)面接調査と参与観察の実施および分析:20代〜30代の障害のある若者本人と,本人と同居して自宅での日常的な介護を行っている親を対象に予備的な聞き取り調査を行った。内容は(1)の日常生活構造にかんすること,および生活に対する本人の主観的満足度,それぞれが考える障害のある若者の「自立観」と将来展望について自由に話してもらった。本年度は数組の親子を対象に予備的調査を行った段階である。
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