2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の過ごし方満足度尺度の開発と高齢者の社会・生産的活動の関連要因の検討
Project/Area Number |
19730367
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
岡本 秀明 Wayo Women's University, 生活科学系, 准教授 (30438923)
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Keywords | 高齢者 / 高齢期 / 過ごし方 / 満足度 / 社会活動 / プロダクティブ(生産的)な活動 |
Research Abstract |
1.データを得るために、千葉県A市の住民基本台帳から無作為抽出した65~84歳の高齢者1400人を対象に、郵送調査を実施した。有効回答数は755人であった。 2.高齢者の社会活動などの活動参加による主観的な効果(満足度)の把握に主眼を置いた2つの尺度、「日頃の活動満足度尺度」と「社会活動に関連する過ごし方満足度尺度」を作成した。日頃の活動満足度尺度は、活動による満足感を全体的・総合的に把握するものとし、4項目で構成されるものとなった。社会活動に関連する過ごし方満足度尺度は、活動により得られるいくつかの具体的な領域の満足感を主に把握するものとし、「学習に関する満足度」「他者・社会への貢献に関する満足度」「健康・体力に関する満足度」「友人に関する満足度」の4因子14項目で構成されるものとなった。作成したこれらの2つの尺度は、妥当性と信頼性を有するものであることが確認された。 3.社会活動を「個人活動」「社会参加・奉仕活動」「学習活動」の3側面、プロダクティブ(生産的)な活動を「同居家族の世話」「家庭外無償労働」の2側面として、それぞれ関連要因を検討した。分析結果から、社会活動については、親しい友人や仲間という社会関係が重要な要因となっていること、活動情報を効果的に周知して活動情報認知状況を高めることが求められることが示された。プロダクティブな活動については、男性よりも女性のほうが活動に関与している状況が示された。 4.作成した2つの尺度も使用し、社会活動およびプロダクティブな活動の主観的効果を検討した。その結果、これらの2つの尺度は活動参加による主観的効果(満足度)を比較的敏感に捉えており、活動による主観的な効果を把握する際に非常に有用な尺度であることが示された。
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