2007 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度施行後におけるホームヘルパーの労働と健康に関する研究
Project/Area Number |
19730376
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Research Institution | Hagoromo International University |
Principal Investigator |
新井 康友 Hagoromo International University, 人間生活学部, 講師 (80369701)
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Keywords | 介護保険制度 / ホームヘルパー / 労働 / 健康 / 自立支援 |
Research Abstract |
本年度の研究計画にのっとり、大阪府と京都府のホームヘルパーを対象にアンケート調査を行った。その結果、大阪府では179名、京都府では220名からの有効回答があった。調査結果を雇用形態別である「正規職員」・「非正規職員」・「登録型」に分けて分析を行った。その結果は以下の通りである。 登録型には「ヘルパー2級」の有資格者が多く、正規職員・非正規職員は「介護福祉士」「ヘルパー1級」の有資格者が多かった。つまり、有資格の種類によって、雇用形態の傾向があることがわかった。 登録型の多くの者は「直行直帰」の勤務形態であり、同僚ヘルパーとの交流がない者も多かった。また、登録型の雇用形態は不安定であるが、健康に関しては、登録型よりも正規職員の方が健康を害していると回答していた。 雇用形態に関係なく、「働きがい」「やりがい」を感じていると回答した者が多かった。そして、「ホームヘルパーとして働き続けたい」と回答している者も多かった。しかし、仕事内容についての満足度は低かった。そして、介護関係での転職経験がある者が多かった。つまり、「働きがい」「やりがい」が高くても「仕事内容に満足していない」ヘルパーの離職率が高くなっていることがわかった。 ヘルパーの労働条件・待遇の改善は当然である。しかし、それだけではヘルパーは働き続けないことがわかった。そして、ヘルパーには「働きがい」や「やりがい」をもって働き続けられる環境が必要であることがわかった。この現実を打開するには、単に労働条件・待遇の改善だけでは無理で、さらに根深い問題があることが推測できる。特に介護保険制度との関係では、アンケート調査では明らかにできなかった。しかし、自由記載欄には多くのヘルパーから意見が寄せられた。それらの意見を参考にして、次年度には2次調査(インタビュー調査)を行う予定である。
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