2008 Fiscal Year Annual Research Report
地方中小都市単身高齢者の生活継続を支援する小地域ケアネット実践方法に関する研究
Project/Area Number |
19730379
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Research Institution | The University of Aizu Junior College Division |
Principal Investigator |
久保 美由紀 The University of Aizu Junior College Division, 社会福祉学科, 講師 (10352791)
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Keywords | 単身高齢者 / ケアネット / ソーシャルワーク |
Research Abstract |
イギリスのコミュニティケアの実践、特に現場実践の担い手として考えられるアウトリーチワーカーに対するヒアリング調査を実施し現状の把握を行った。 小地域での高齢者支援のためのA Sure Start for Older Peopleプロジェクトにおけるパイロット事業(Link Age Plus)に取り組んでいたLondon市内のTower Hamlets区にある2007年に訪問することができなかった2箇所のセンターを訪問し、アウトリーチワーカーに対するヒアリング調査を実施した。アウトリーチワーカーは、各担当地域の状況に合わせ実際の活動内容は異なるものの、必要な情報を収集するとともに、問題を抱える高齢者の発見やニーズの掘り起こし、サービスへとつなげる役割が基本となっている。また、各地区センターには各事業を統括するコーディネーターが配置されているが、アウトリーチワーカーの自律性やどのような事業を地域で行って行くのか等の権限が確保されていることがこのでは大きな意味をもつといえる。さらにLink Age Plus事業の具体的な展開場面として、Tower Hamlets区内のある地域にある管理人住宅の管理人とアウトリーチワーカーが協働し立ち上げたプログラムに参加した。管理人住宅内で行われているイベント以外にも、入居している高齢者がそれぞれの思いを気軽に話せる場を作りたいという管理人のニーズに対応したものである。アウトリーチワーカーの活動がコミュニティベースであることにより、高齢者に対しての直接的な関わりに加え、地域の高齢者をとりまくさまざまな人びととの関わりにより具体的な支援方法がっくり出される結果となっていた。 単身高齢者の地域生継続支援に向け、既に日常生活での支援、特に生活の基本ともいえる食生活について支援を必要とし、支援サービス(配食サービス)を利用している高齢者の生活実態およびサービス評価等についての訪問面接調査をサービス提供事業体である社会福祉法人の、地域ボランティアとともに実施した。調査結果からは、高齢者の生活のさや孤立・孤独状態にあることが明らかにるとともに、社会資源としての社会福祉施設、職員の専門性をどのように地域支援として活用していくことができるか、また、ボランティア等の地域住民とどのような協働を図ることができるかについて検討を行った。
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