2009 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害者の一般就労の定着を支援するためのプログラムの開発
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19730380
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Research Institution | Tokai Women's University |
Principal Investigator |
森川 洋 Tokai Women's University, 健康福祉学部・総合福祉学科, 講師 (60442183)
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Keywords | 就労移行支援事業 / 障害者・就業生活支援センター / 浮沈図調査票 / 就労支援観 / 定着支援 / 定着支援の組織化 / 主体性 / 社会性 |
Research Abstract |
今年度は、訓練生の「主体性及び社会性に関する評価」の検討、及び就労移行支援機関における一般就労の支援に関する実践過程の検討を行った。 一点目の「主体性及び社会性に関する評価」の検討については、訓練生を対象に実施し、当事者と支援者である指導員や、家族などが共有可能な当事者の一般就労への定着を志向した有効な判断材料づくりを目的として行った。その結果、主体性及び社会性評価をもとに得点化したスコアは、就職後の定着指導のペースが「規定を超えた」者よりも「規定範囲内」の者が高いことと、「離職中」よりも「就労中」の者が高いことが明らかになった。以上のことから、主体性及び社会性評価を用いて、当事者の就労実態を予測し、就労の開始する時期や支援のポイントを検討することが有効である可能性が示唆された。 二点目の就労移行支援機関における実践過程の検討では、S式浮沈図調査票を用いた支援者への面接を実施し、回答内容をKHcoder(テキストマイニングのためのフリーソフト)を用いて検討した。その結果、(1)支援者たちは、人は成長、発達するという前提のもとアンビバレントな当事者観が形成されつつあること、(2)(1)をもとに就労支援観の構築が行われ、かつ就労移行支援機関および当事者の家族、事業所等、機関内外の支援者に共有化が図られようとしていること、(3)支援者のうち、現場の指導員は定着支援の組織化という語りが中心である一方、就労移行支援事業の経営者は定着支援の組織化とともに、新規利用者の確保等、当該機関の経営に関する語りもみられたという点である。 今後当事者の家族、特別支援学校、職場実習機関、企業等の就労先における当事者観や就労支援観の変容過程を明らかにし、実践内容を整理すること、また就労移行支援機関を中心とした定着支援の組織化のプロセスおよび新規利用者の獲得等、経営のための実践について整理、検討する必要性が示唆された。
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Research Products
(3 results)