2008 Fiscal Year Annual Research Report
ライバル関係の対人関係次元上の位置づけに関する総合的研究
Project/Area Number |
19730389
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
太田 伸幸 Chubu University, 教育実習センター, 准教授 (40367628)
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Keywords | ライバル / 対人関係志向性 / 競争志向性 / 協同志向性 / ライバル関係 / ライバル認知の形成 / ライバル関係の変化 / 半構造化面接 |
Research Abstract |
平成20年度は, ライバル関係の変化に関するモデルを構築するために, 実際にライバルが存在する者を対象とした面接調査を実施した. まず, 平成19年度に作成した対人関係志向性尺度(競争志向性, 協同志向性)を用いて予備調査を実施し, ライバルが現在存在する者もしくは過去に存在した者を面接対象者として決定した. 次に, 実際のライバル認知の成立やライバルとの関係について, 予備調査での回答内容を参考にしながら半構造化面接を実施した. 面接対象者には, 1)ライバルである人物との関係, 2)ライバルとの関係の変化, 3)ライバルとの競争の内容, 4)ライバルである人物に対する認識, 5)ライバルが存在することによる行動の変化, および具体的な行動を中心に回答を求めた. 過去に存在したライバルとの関係では, 主に部活動の同級生をライバルとしてあげた者が多かった. それに対して現在のライバルとの関係では, 部活動のみならず学業に関するライバルをあげる者も多かった. ライバルとして認知したきっかけとしては, その活動において社会的比較の対象となったことが多くあげられていたが, 基準としてのみならず目標として認知している者が多かった. 特に一方的なライバル認知をしている者は, 関係が継続する中でも目標として認知し続けていた. それに対して, 好敵手として相手をライバル認知している者は, お互いに対する競争心を明確に示していることがライバル関係の成立のきっかけとなっていた. 特にもともと友人関係にある者に報告が見られており, 双方向のライバル関係の成立には一定以上の親密性が必要であると考えられる. 関係の変化については目標(一方的なライバル認知)から好敵手(双方向のライバル認知)へ移行した事例も報告されており, 次年度の縦断調査を進めるためのモデルとして検討する必要がある.
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Research Products
(3 results)