2007 Fiscal Year Annual Research Report
青年・成人期の愛着スタイルが恋愛関係ならびに熟年期の夫婦関係の質に及ぼす影響
Project/Area Number |
19730391
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Research Institution | Osaka University of Human Sciences |
Principal Investigator |
金政 祐司 Osaka University of Human Sciences, 人間科学部, 講師 (70388594)
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Keywords | 青年・成人期の愛着スタイル / 関係の適応性 / ペアデータ / 親子関係 / 恋愛関係 / 夫婦関係 / 関係の質 |
Research Abstract |
人にとって、他者と親密な関係を築き、それを維持していくことは個人的な適応ならびに社会的な適応の両側面から見ても重要なことである。近年、「婚活」という言葉がメディアをにぎわしているように他者との親密な関わりのなかでも特に恋愛や結婚といった関係性に対する社会の関心の高まりが見て取れる。本申請研究では、恋愛や結婚といった親密な他者との関係性について論じるに際し、発達的視座を理論的に内包する青年・成人期の愛着理論(Hazan & Shaver,1987)の観点を採用し、青年・成人期の愛着スタイルがそれらの関係性に及ぼす影響について検討を行うことを目的とする。 まず、平成19年度の科学研究費を用いて、恋愛関係にあるカップルのペア調査を行った。調査対象者は、103組の恋愛関係にあるカップルであった。その結果、愛着次元の"関係不安"は、回答者本人と相手のネガティブ感情と正の相関関係を示し、同様に、両者の関係への評価と負の相関関係を示していた。さらに、"関係不安"と本人ならびに相手の関係への評価との関連は、双方の関係において、各々のネガティブ感情経験によって媒介されていた。このような結果は、以前収集していた青年期の親子関係でのペア調査の結果と類似したものであった。それゆえ、それらのデータを基に、青年期の愛着スタイルがそれら2つの愛着関係における感情経験や関係への評価に及ぼす影響についての結果をまとめ、現在学術論文として、審査付きの学会誌に投稿、審査中である。さらに、上記の調査に関する未発表のデータもあるため、今後、それらについての分析を行い、研究結果を関連学会、ならびに海外の学会などで発表するとともに、学術論文としてまとめていくことを予定している。
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Research Products
(1 results)