2009 Fiscal Year Annual Research Report
部活動における競技種目の特性により規定される満足感についての研究
Project/Area Number |
19730397
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Research Institution | Kochi Gakuen College |
Principal Investigator |
吉村 斉 Kochi Gakuen College, 幼児保育学科, 准教授 (20310899)
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Keywords | リーダーシップ / 集団 / 対人関係 / 心理アセスメント / 教科外教育 |
Research Abstract |
平成21年度には、平成20年度に得られたテータを用いて分析された結果の発表と研究成果報告書の作成が行われた。主な概要は以下の通りである。 第1の研究では、部の連帯性の強弱によって、部員の積極性や満足感が異なるか否か、さらにその関係が個人種目と団体種目の意で異なるか否かが検討された。その結果、部の連帯性が弱いと捉えた部員による部の雰囲気への満足は、団体種目で低かった。特に、団体種目では、連帯性が競技活動そのものに及ばす影響が強いことから、部活動そのものへの魅力を低下させ、活動の継続に支障を来す恐れがあることも考察された(日本心理学会第73回大会で発表)。 第2の研究は、運動部員の部活動への積極性や満足感と主将のリーダーシップの関係が、部員が感じる連帯性に応じて異なるか否かについて検討された。その結果、連帯性が強い部の雰囲気への満足感が高いであるものの、さらに積極的かつ厳格な指導の下で(圧力H-積極的指導群)その効果が高はることが示唆された。逆に、連帯性の弱い部では,圧力H-積極的指導群の満足感がもっとも低かった。それゆえ、主将の圧力が効果的に作用するためには、部の連帯性を基本としていることが考察された(日本教育心理学会第51回総会で発表)。 その他、運動部員による部活動への積極的行動や満足感は,部員の対人スキルや主将のリーダーシップに応じて,どのように異なるのか、またそれらは競技種目の特性に応じて,どのように異なるのかについて検討された。その結果、個人種目では,主将が技術指導や人間関係調整に積極的であれば,圧力に関係なく,部員たちの部の雰囲気への満足感が高かった。他方,団体種目では,主将が技術指導や人間関係調整に積極的なだけでなく,圧力も強い場合において,部員たちは部の雰囲気に満足していた。
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