2007 Fiscal Year Annual Research Report
小・中学生の放課後活動が,居場所感・学習意欲・適応感にどのような影響を与えるか
Project/Area Number |
19730405
|
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
角谷 詩織 Joetsu University of Education, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (90345413)
|
Keywords | 放課後活動 / 居場所 / 集団活動 / 適応感 |
Research Abstract |
本研究の目的を以下の四点とする。(a)小・中学生の居場所感の獲得、学習意欲、心身の適応に有効な放課後の活動の特性を、小学校低・中・高学年、中学生の4つの発達段階に分類して明らかにする。(b)地域の個人・団体との交流の程度や、放課後活動の規模、放課後活動組織の組織性の程度、学校の関わりの程度と、小・中学生の学校への所属感、学校への適応感、地域への所属感、社会性、地域の安全性との関係を明らかにする。(c)放課後活動のリーダーとなる大人へのインタビューを通して、放課後の活動の発展に必要な要因(予算、人的資源、多数派の大人の理解や価値観等)を明らかにする。(d)縦断的な追跡調査結果も踏まえ、4つの段階において、有効であると評価できる活動例を分析し、許可を得た上で公表可能な形にする。初年度(平成19年度)は,(a)について,夏休み前,春休み前の二回,小学4年生〜6年生を対象とした質問紙調査を行った。分析の結果,放課後の過ごし方として多いのは,塾に行く(1週間に1回),塾以外の習い事に行く(1週間に1〜2回)であった。何らかの組織的な習い事,集団での活動への参加は,休日に多くなされており,放課後の組織的活動への参加は「あまり〜ほとんどやらない」児童が多かった。個人的活動としては,マンガを読む,復習をする,外で身体を動かして遊ぶ,が多くなされていた。平日の組織的な集団活動への取り組みは,中学校での部活動で初めて経験する児童が多いことが推測される。(b)について,長野県,新潟県,埼玉県の小学校それぞれ1校ずつ,教員へのインタビュー調査を行った結果,放課後子どもプランは,学校の敷地の利用はあるものの,学校とは独立した形で運営されているケースがほとんどであった。 平成20年度は,放課後の子どもの過ごし方及びその有効性について,児童・生徒の居場所や適応感との関連から検討する。また,発達心理学会にて成果発表を行う。
|