2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代における子どもの自立の意味-生きにくさを抱える子ども・親・支援者の視点から
Project/Area Number |
19730407
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
東村 知子 Nara Women's University, 文学部, 助教 (30432587)
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Keywords | 生涯発達 / 自立支援 / 学校教育 / 障害児者 / 不登校 / 親 |
Research Abstract |
本研究では、障害児者および不登校を経験した若者に焦点をあて、現代における子どもの自立の意味について考察してきた。本年度は追加調査の実施と、研究成果のまとめおよび報告を行った。具体的な内容と得られた成果は、以下の通りである。 (1)サポート校および通信制高校の卒業生・在校生計7名へのインタビューを行った。彼らの多くは自らの夢を学校の外で見つけ、実現させようとしていた。中には、自分が学校という枠組みから外れ、「ふつう」ではなくなったことを後悔している者もいたが、彼らに対して最も厳しい目を向け、拒絶したのは学校の教師であった。彼らの経験は、現在の学校教育炉子どもの自立を支援しえているの炉ということについて、大きな問題を提起している。 (2)前年度に行った障害者の母親と支援者のグループインタビューをまとめ、協力者にフィードバックした上で再度インタビューを行った。その結果、母親自身がいつのまにか子どもに支えられていたことへの気づきをはじめとする新たな語りが生まれた。このような実践を通して「プラクティス(実践)としてのインタビュー」という研究上の新たな視点がえられた。 (3)(1)と(2)の結果を統合し、自立について考える上で重要な三つの視点を見出した。第一に、自立を個人の問題としてではなく「他者との関係」においてとらえること、第二に「受動性」ではなく「能動性」によって自立を定義すること、第三に、「学校のはしごを順調にのぼり、就職して自分の家庭をもつ」という典型的なライフコースが自立への近道であるという暗黙の前提をとらえなおす必要があるということである。 上記の成果の一部は、平成20年6月の日本グループ・ダイナミックス学会(広島大学)、同9月の国際文化活動研究学会(カリフォルニア大学サンディエゴ校)、平成21年3月の日本発達心理学会(日本女子大学)において発表し、紀要に論文を執筆した。
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Research Products
(4 results)