2007 Fiscal Year Annual Research Report
育児期家族における家計収入・管理に関する夫婦間相互調整の研究
Project/Area Number |
19730408
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
神谷 哲司 Tottori University, 地域学部, 講師 (60352548)
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Keywords | 家計収入 / 家計管理 / 夫婦 / 性別役割分業 / ジェンダー / 結婚満足度 / 育児期 / コミュニケーション |
Research Abstract |
育児期夫婦の親役割相互調整に関する研究では,夫婦の「伴侶性」が重要であ寄との示唆が得られている。また,親役割の分担は妻の就労や夫婦の家計収入の程度と関連していることが示唆されているとともに,一方で,家計費管理については未だ妻の役割として認識されており,性別役割分業が残存していることが指摘されている。そうした点を踏まえ,本研究は,育児期夫婦の家計収入・管理に着目し,家計収入のパターンごとに,育児期家族がどのような家計管理を行っているのか,そのタイプを明らかにするとともに,その家計管理のタイプに至るプロセスについて,夫婦の関係性(コミュニケーション,結婚満足度,家事・育児分担率)との関連と併せて検討し,家計費の収入と管理が夫婦にとって持つ意味を探ることを目的としていた。当該年度においては,主に,(1)関連文献の整理,および(2)予備調査を行う予定であったが,それらは課題を残しつつも予定通り実施された。(1)においては,主に「家計経済研究」や財団法人家計経済研究所のパネル調査の報告書等が収集され,問題点が整理された。中でも,夫婦の家計収入・管理のパターンをどのように分類するかについて,先行研究を踏まえ,「手当てタイプ」「委任タイプ」「一体タイプ」「夫財布主張タイプ」「妻財布主張タイプ」「扶養タイプ」「支出分担タイプ」「拠出タイプ」に分類した。また,夫婦のコミュニケーショツを測定する尺度についても,新たな検討を加えた上で2007年11〜12月に予備調査を行った。現在これらのデータの整理やコーディング作業を行っており,随時分析を進め,次年度の本調査に向けてさらに質問項目を洗練させていくとともに,予備調査の結果を学会等で報告していく予定である。
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