2008 Fiscal Year Annual Research Report
手術後の肺癌・乳癌患者の治療支援とQOL向上たのめの心理学的介入方法の開発
Project/Area Number |
19730430
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 啓 Osaka University, コミュニケーションデザイン・センター, 助教 (70294014)
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Keywords | 肺癌 / 乳癌 / QOL / 問題解決 / 身体活動 |
Research Abstract |
本年度は、肺癌患者を対象として、日常の身体活動が心理的適応・QOLへ及ぼす影響について検討するために比較的全身状態の良好である肺がん患者を対象とした前向き観察研究を実施した。研究参加への同意が得られた20名を対象とした。研究は、ベースラインにおける抑うつ・不安・QOLなどの心理的状態の測定を行った後、身体活動の指標としてライフコーダーを実際に対象者に装着を依頼した。入院前・術後(退院前)・退院後1回目外来・退院後2回目外来に各心理尺度を実施し、その間、ライフコーダーにより身体活動量を測定した。本年度は、ヒストリカルコントロールの対象者のエントリーを終了し、新たに、心理教育・身体活動の目標設定・活動リストの作成を含む短期介入プログラム(STEPプロトコール)を術後1ヶ月の外来で実施する介入群の登録を開始した。コントロールの対象者でデータ解析可能な対象者は、16名であった(男性10名・女性6名、平均年齢は65.1歳)。12名の対象者の内、研究を完了した6名のデータを分析対象とした。介入群は4名登録で、うち2名に対して介入を実施した。コントロールの対象者の平均身体活動量(歩数)は、入院前の期間が6873.10歩、入院日から手術日までの期間が4736.04歩、手術日から退院日までの期間が2543.50歩、退院日から1回目外来日までの期間が2931.42歩、1回目外来日から2回目外来日までの期間が4340.33歩であった。心理的適応め指標である抑うつ・不安尺度のHADS合計点は、入院前では平均9.77点、術後(退院前)では平均9.46点、1回目外来では8.92点、2回目外来では平均9.31点であった。来年度は引き続き対照群のデータの詳細な分析を行う。さらに介入群の症例を蓄積し、肺がん患者の日常の身体活動量をターゲットとしたQOL向上のためのプログラムの開発を行い、その実行可能性と有効性の検討を行う。 また乳癌患者を対象とした面接調査も実施し、患者の行動や感情抑制についての詳細な特徴を抽出した。
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