2007 Fiscal Year Annual Research Report
周産期医療における心理学的介入プログラム開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19730433
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
長濱 輝代 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 講師 (40419677)
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Keywords | 母体、胎児集中治療室 / 産前訪問 / POMS / 周産期 |
Research Abstract |
1.研究の目的:本年度は研究の初年度にあたり,母体・胎児集中治療室(MFICU)における効果的な臨床援助法の基礎的資料とするために,入院中妊婦の気分・感情面に関する心理特性把握,産前訪問と聞き取り調査の実施,産前訪問の効果について検討した。 2.本年度の研究実績:第一次調査結果の解析(平成18年12月〜平成19年9月):MFICUに入院しており調査に同意した妊婦69名のうち,a)初回回答に不備がなく,b)分娩を当院で行い経過が追える妊婦で,c)胎内死亡、死産の例を除いた52名を対象とした。(1)初回産前訪問時のPOMSの結果,平均得点はネガティブな感情尺度得点が高い「逆氷山型」を示し,他の訴えとあわせ専門医の受診をさせるか否かを判断する「要注意」得点の妊婦が「緊張-不安(T-A)」15名,「抑うつ-落込み(D)」12名,「怒り-敵意(A-H)」2名,「活気(V)」25名,「疲労(F)」4名,「混乱(C)」6名であった。また,小児科医と臨床心理士の行った産前訪問後には「緊張-不安(T-A)」「抑うつ-落込み(D)」の項目において有意な得点上昇が認められた。 (2)産前訪問における聞き取り調査から,MFICU入院妊婦の不安の多くは胎児の現在の状況に即した具体的なものであり,定期的な産前訪問で-見些細に思われる疑問や質問に答えることが妊婦の"漠然とした不安"に目処を与え,ネガティブな感情の改善に役立つことが考察された。 来年度は,本年度の結果を踏まえ,継続してデ-タや心理的介入方法についての基礎資料を集積し,あわせて新生児集中治療室(NICU)入院時の母親へのインタビュ-やPOMS調査を行い,効果的な産前訪問介入の方法について検討を行う。
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Research Products
(5 results)