2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730435
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
岡田 顕宏 Sapporo International University, 人文学部, 准教授 (20337083)
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Keywords | 表情認知の個人差 / 恥の準投影法的測定 |
Research Abstract |
表情認知能力の測定実験に関しては、人物写真の表情を知覚する能力の個人差を測定するための3つの実験を予備的に実施し、別途測定した複数の質問紙尺度(特性情動知能尺度TEIQ,日本語版MPI,EQS,TAS-20)との比較を行った。実験1では、中立表情から特定の表情(悲しみ、喜び、嫌悪)へと漸進的に変化する表情をコンピュータ制御で呈示して、表情を特定させる課題を行った。実験2および実験3では、瞬間呈示した表情写真の快不快を判断させる実験を行った。これまでに収集したデータを分析した結果、表情認知能力と特性情動知能および性格特性との間に相関のあることが示唆された。また、個人の表情認知特性が、表情を読みとる正確さという側面だけではなく、感情価として中立な表情(中立表情および驚き表情)に対して「不快」と判断する傾向、つまりネガティブな反応バイアスという側面からも検討する必要のあることが示唆された。 恥に関する準投影法的質問紙の作成については、シナリオベースの質問紙である「自己意識的感情尺度青年版(TOSCA-A)」のシナリオ部分のみを提示して、その場面状況に対する感情評定および自由記述反応を求め、反応内容の分析を行った。感情に関する記述内容を見る限り、必ずしも恥に関する記述が見られないことも多く、日本人に適合する場面を用意する必要のあることが改めて示唆された。また、試みに、P-Fスタディでのスコアリング方法を採用したところ、ネガティブな場面状況における葛藤を否認する防衛機制と解釈できる反応や、感情に関する明確な記述がない場合でも、何らかの感情に動機づけられてその場を取り繕うような反応が散見された。これらのことから、恥感情に関する明確な言語的反応がない場合でも、恥的反応の指標の一つとして取り上げる意味があると考えられた。
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