2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730443
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
前川 浩子 Kanazawa Gakuin University, 文学部, 講師 (10434474)
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Keywords | 摂食障害 / 食行動・態度 / パーソナリティ / Eating Disorder Inventory / Temperament and Character Inventory |
Research Abstract |
本研究は、摂食障害および不健康な食行動の発達に関して縦断的に検討することを目的として行われているが、平成20年度は神経性無食欲症(AN)と対照群(CO)との女性との食行動および態度の違い、ならびに、パーソナリティの違いに焦点をあててデータの解析が行われた。 分析の対象となったのは、AN女性50名(平均年齢=25.84歳、range15〜45歳)とCO女性53名(平均年齢=25.44歳、range15〜43歳)であった。食行動および態度に関してはGarner et al(1983)が開発したEating Disorder Inventory(EDI)を、パーソナリティ特性はCloninger et al(1993)によるTemperament and Character Inventory(TCI)を使用して測定を行った。食行動・態度に関しては、「体型不満」を除く全ての次元で有意差が見られた。パーソナリティについては、AN女性は「新奇性追求」、「報酬依存」、「自己志向」が低く、「損害回避」が高いことが示され、高い「損害回避」と低い「自己志向」を持つというAN女性の特徴は欧米での研究報告と一貫したものであった。次に、「体型不満」の高さとパーソナリティの関係について、AN群で体型不満の高い者と、統制群で体型不満の高い者との問でパーソナリティに違いが見られるか検討を行った。その結果、AN/体型不満高群は、統制/体型不満高群よりも「損害回避」が高く、「自己志向」が低いことが示された。 「体型不満」は摂食障害の中核的な特徴であることはよく知られているが、本研究の結果から、日本において「体型不満」は摂食障害ではない女性においても高い傾向が見られることが明らかとなった。さらに、「体型不満」だけが摂食障害のリスク要因になるというよりは、高い体型不満を持ち、あわせて高い損害回避や低い自己志向性を持つ者にリスクが高まる可能性があることが示唆されたといえる
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