2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730444
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
久木山 健一 Kyushu Sangyo University, 国際文化学部, 准教授 (10387590)
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Keywords | 聴くスキル / 社会的スキル / 社会的適応 / 大学生 / 青年期 / 友人関係 |
Research Abstract |
1. 聴くスキルの発達の検討 本年度は、聴くスキルのトレーニングに関わる、長期的視点での聴くスキルの形成過程の理解が課題とされていた。その一環として、大学生時点での聴くスキルの高低が、家庭で体験したさまざまな形成要因とどのような関連をしめすのかについて検討した。その結果,聴くスキルの家庭での形成要因は以下の3点に代表されることが示唆された。(1)家庭環境要因(「会話量」・「受容・温かさ」・「兄弟の世話」・「高圧的」・「他者尊重」)、(2)しつけ要因(「聴くスキル」・「全般」・「向社会」・「主張スキル」)、(3)モデル機能(「親の聴くスキル」・「親の反応のよさ」)。また、特にしつけ要因が、大学生時の聴くスキルの高低に関連をしめす可能性が高いことが示唆された。 2. トレーニングされた社会的スキルの実行阻害に関する検討 トレーニングなどにより聴くスキルが習得されても、実行を阻害するような要因が存在するために,上手に人の話を聴くことが出来なくなることが確認されていた。そのため、本年度は、阻害要因について、阻害が起きる状況および阻害が起きやすい対象の2つの側面より検討を行った。 状況要因としては、(1)感情的要因(「イライラ」・「疲労・不調」・「落ち込み」・「眠気」・「緊張」)、(2)会話内容要因(「興味のなさ」・「自身の興味」・「知識のなさ」・「内容への反発」)、(3)リソース要因(「余裕のなさ」・「他の課題」)、(4)会話が行われる場所要因(「大勢の他者の存在」)が存在した。 対象要因に関しては、(1)話し方・内容要因(「自分のことばかり」・「自慢話」・「内向的」・「内容不足」・「やかましさ」・「怒りっぽさ」)、(2)相手への評価要因(「嫌悪」・「尊大」・「自己中心」)、(3)関係性要因(「親密性」・「年齢」・「自己の意見との相反」)の存在が確認された。
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