2008 Fiscal Year Annual Research Report
関係の文脈における攻撃性の組織化の研究:表象および実際の対人関係との関連
Project/Area Number |
19730448
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
工藤 晋平 Hiroshima International University, 心理科学部, 講師 (70435064)
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Keywords | 臨床心理学 / 攻撃性 / 心的障害 / 愛着理論 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度変更した計画に基づいて、「安全基地スクリプト法(SBS)」を用いて「『活性化された表象モデル』についての検討」を行った。 まず初めに英語によるSBSの刺激語を日本語訳し、妥当性の尺度として元の論文でも用いられているRQ日本語版とともに施行した。さらに、ここでの目的は「攻撃性を示す状況」における表象モデルの活性化を捉えることであるため、親密な関係での攻撃性と安全基地の利用を表すスクリプトを測定することができるよう、SBSの刺激語に変更を加えたものも作成した(CRASBS[仮の名称])。これが実際に親密な関係における攻撃性を予測できるかを見るため、対人葛藤方略を測定するHICIの施行も行い、研究計画通り、一般大学生(N=238)を対象に調査を実施した。 その結果、質問紙であるRQによって測定された愛着表象モデルは、HICIによる親密な関係における葛藤場面での攻撃性を予測しないことが明らかとなり、先行研究から予想される結果とは異なるものとなった。この結果とそれについての考察は来年度5月に行われるAmerican Psychological Associationで発表予定である。SBSおよびCIUSBSによるデータについては現在スクリプトの評定を行っているところで、またオリジナルの作成者の評定と合わせることで信頼性を検討するためにそれらのデータ(スクリプトの逐語録)を英訳した。信頼性の検討が終わった後にHICIとの関連について、分析に入る予定である。
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