2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己運動知覚と姿勢制御における前庭感覚と視覚の相互作用解明
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19730460
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北崎 充晃 Toyohashi University of Technology, 未来ビークルリサーチセンター, 准教授 (90292739)
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Keywords | 自己運動知覚 / 姿勢制御 / 前庭電気刺激 |
Research Abstract |
(1)実験システムの開発と設定 生体に安全かつ高精度に定電流を与えることが可能な前庭電気刺激装置を開発した。一台のコンピュータにより前庭電気刺激と視覚刺激を制御・提示し,C言語でプログラミングすることで,時間ズレの起きないシステムを実現した。 (2)自己運動知覚および姿勢制御における前庭感覚情報と視覚情報の時間特性および相互作用に関する心理物理実験 視覚刺激と前庭刺激を左右に周期的運動で同時提示し,自己運動知覚および姿勢制御に及ぼす影響を測定した。その結果,左右への身体動揺を誘発する電気前庭刺激は,0.1-0.2Hzでの提示の方が,0.3Hzでの提示よりも効果的であり,強い動揺を生じた。これは,前庭感覚器官の時間特性に依存している可能性がある。視覚刺激についても,やや高い周波数での身体動揺の低減が見られた。これは,速い運動は自己運動に起因するのではなく,対象運動に起因すると脳で解釈されるためではないかと考えられる。位相の周波数依存性は,時間に変換することで消失あるいは低減した。このことから,特に電気前庭刺激によって誘発される身体動揺は,位相定数があるのではなく,時定数(1100ms程度)も影響することが示唆された。 (3)成果発表 これらの研究成果の一部を日本バーチャルリアリティ学会VR心理学研究会にて発表した。また,その発展成果を,翌年の国際会議に投稿した。
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