2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図を用いた神経美学の研究-学習という観点からの検討-
Project/Area Number |
19730465
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻井 岳雄 Keio University, 社会学研究科, 准教授 (80424216)
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Keywords | 脳磁図 / 学習 / 神経美学 / 感性情報処理 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,感性情報処理の神経基盤について,(1)脳磁図を用いた時空間的な神経相関の分析を行うこと,(2)学習という観点から検討することである.平成19年度は,脳磁図(MEG:magnetoencepharography)を用いた相貌認知,及び絵画鑑賞時の脳賦活について予備的なデータを収集し,また学羅習については行動研究において,美学専門家と素人大学生の感性判断の相違を調べる研究,大学生に対する鑑識眼トレーニングの実施を行った。美学経験の有無による絵画評価の違いについては,主に形成運動空間(絵画作品が生み出す葛藤感)という点での評価で専門家と素人の作品評価のしかたが大きく異なることが明らかになった。鑑識眼トレーニングの研究では,半年間に及ぶ専門訓練を実施することにより普通の大学生でも専門家に近い鑑識眼を身につけることが可能であることが明らかになった。また,脳磁図での研究に先立って,脳波(EFG:electroencepharography)や近赤外分光法(NIRS:near-infrared spectroscopy)を用いた高次認知課題の神経相関に関する研究も行い,その成果を学術論文・学会シンポジウム・図書等の方法で発表した。平成20年度は,これらの成果をふまえ,「脳磁図を用いた神経美学の研究-学習という観点からの検討-」の研究課題をまとめる方向で研究を行う.
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