2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730467
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小山 慎一 Chiba University, 大学院・工学研究科, 助教 (40420913)
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Keywords | 頭痛 / てんかん / 心理物理学 / 神経心理学 / 光過敏性 / 視覚性ストレス |
Research Abstract |
従来の神経心理学の研究対象は脳損傷患者における高次脳機能障害であった。対象疾患は脳梗塞から神経変性性疾患、およびうつ病などの精神疾患まで多岐にわたるが、神経心理学は脳機能の低下に伴うパフォーマンスの低下を評価することを前提に発展してきたと言える。一方で、脳機能の異常な亢進が原因で起こると考えられる光過敏性や耳鳴りなどの感覚症状は、頭痛やてんかんなどで頻繁に見られるにも関わらず国内外いずれにおいても神経心理学研究の対象として扱われてこなかった。本研究では頭痛およびてんかんに伴う視覚症状を神経心理学的に評価し、脳機能の異常な亢進という従来と反対の視点から脳と心の関係について検討した。本年度は特に視覚症状と頭痛の関係について研究を行った。慢性頭痛の一種である片頭痛の患者は縞模様・格子模様をまぶしく感じることが知られているが(Wilkins,1996)、本研究では縞模様・格子模様を細かくしていったときのまぶしさの知覚の変化を定量的に評価した。その結果、模様を細かくするほど片頭痛患者のまぶしさの知覚が増大することが示唆された。さらに、まぶしさの知覚と片頭痛の関係について検討するため、白内障手術後に片頭痛を再発した患者1例を対象に症例研究を行った。この症例では若年時に発症した片頭痛が白内障の進行とともに消失し、白内障手術後に再発した。さらに、サングラス着用後に症状が大幅に緩和されたことから、この症例では光刺激が片頭痛の引き金になっていることが推測された。
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Research Products
(11 results)