2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730469
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
緑川 晶 Chuo University, 文学部, 准教授 (90421833)
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Keywords | パーキンソン病 / 音楽療法 / リハビリテーション / リズム / 歩行 / 手指タッピング |
Research Abstract |
本研究は, パーキンソン病患者の運動機能を定量的に評価するとともに, 適切な介入方法を見いだすことを目的とする. 平成20年度は実際にパーキンソン病患者を対象として手指タッピング課題を実施した. 手指タッピング課題とは, 一定の速度で呈示された外的刺激に同期, もしくは外的刺激から独立して, 一定の速度で人差し指を用いてタッピングを求める課題である. 条件としては視覚条件と聴覚条件を設定し, 視覚条件は一定速度で点滅する光点を参照刺激とし, 聴覚条件は一定速度のクリック音を参照刺激とした. またそれぞれの刺激は2種類の速度(120bpm/80bpm)で呈示した. この結果, 80bpmで呈示した時には視覚条件と聴覚条件でタッピング間隔に差が認められなかったが(P=27), 120bmpで呈示した時には, 視覚条件での同期が聴覚条件に比較して困難である傾向が認められた(P=07). ただし個人差が大きいことから, 引き続きデータを増やし, 重症度や投薬の有無などを統制して検証を行っているところである. 一方, 探索的にではあるが, 視覚条件において点滅する光点に加えて, 動きのある視覚指標を呈示したところ, タッピング間隔に改善傾向が認められる現象が確認され, 介入への効果が期待される. また, 現在のところメトロノームのクリック音に加えて, どのような楽曲であればタッピング間隔に改善が期待されるか, 被験者毎に曲の選定とその効果の検証を行っているところである.
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